マナと過ごした12年。

 

 

この記事は3ヶ月ほど前に書いたのですが、なかなか投稿出来なかったものです。

 

なので、下で書いてある時間とのズレがあります。

 

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マナが我が家に来た日、嬉しくて眠れなかった。

 

何度も何度もマナを見に3階から1階に降りて行った。お父さんとお母さんに見つかると怒られるので静かに。

 

新しい環境に慣れさせるため、

まだ他に人に言ったらダメだよと言われたけど

嬉しくて黙ってなんかいられなかった。

 

友人に内緒だよって言ってマナを見せてあげた。

 

 

マナは我が家に来て3日経っても、なかなか名前が決まらなかった。

 

愛とかラブとか色んな候補が上がった。

 

でも最終的に、その日に皆んなで読んだ聖書の箇所からお父さんが「マナ」って名付けた。

 

 

マナは凄くエネルギッシュな犬だった。

散歩に行くとテンションが上がって

誰の声も聞こえなくなってしまう。

 

 

ダーーーっと野原を気持ちよさそうに駆け回る姿を見た時には

私も犬になって一緒に駆け回りたくなったりした。

 

 

マナは人のそばにいるのが大好きな犬だった。

 

すぐに人の膝の上で寝るので足が痛くなったりした。

 

 

食卓にお芋やトウモロコシが出た時は、すっ飛んできて目をキラキラさせながら、シャンっとお座りして待っていた。

 

まるで「お利口でしょ?ちょうだい!!」っと言ってるかのようだった。

 

 

家に誰かが遊びに来たりすると、

身体中で喜び表現し誰よりも歓迎して迎えていた。

 

 

お父さんに抱っこされる時は、逃げられないのを悟ってフーッとため息をついて大人しくしていた。

 

 

昔はよく一緒にお風呂にも入ったりもした。

 

マナは濡れると普段ふわふわの毛がペターっとして、まるでモンスターみたいになった。

 

お風呂から上がると足拭きマットで自分の体を拭いてダーっと部屋中を走って乾かしていた。

 

 

マナは外に行くのが大好きだった。

 

ドライブの時には窓から顔を出して、風を感じながらよく外を見ていた。

 

 

だけど、

マナは雨が嫌いだった。

 

楽しみにしているお散歩も外が雨だと分かると

分かりやすく落ち込んでいた。

 

 

マナは洋服が好きだった。

私が作った服も喜んで着てくれた。

 

寒がりで冬になるとストーブの前から動かなかったし、夜になると誰かに布団の中に入ってきてピッタリと離れなかった。

 
 

マナのイビキは凄くうるさかった。

 

だけど、少し臭くて安心するマナの肉球を嗅ぐと、私もぐっすり寝れた。

 

 

マナは悪いことをすると、

気まずそうな顔をして目を逸らすので

直ぐに何かしたんだなっと分かった。

 

 

マナは兄のベットでオシッコをするのが好きだった。でもそれをすると沢山怒られた。

 
 

一度私がお母さんに怒鳴られているとき

マナがお母さんの気を引こうとおもちゃを持ってきたり吠えたりした

 

そして私と一緒に怒られたこともあった。

 

 

マナは他のわんちゃんと遊ぶのは、あまり上手ではなかった。

 

大きい犬にこられると尻尾を丸めて逃げ越しになって、

 

小さな犬には強気になって追っかけた。

 
 

だけど人と遊ぶのは大好きで

よくボールを持ってきては遊んで欲しいとアピールしてきた。

 

でも一度投げてしまうと、永遠と終わらなくなるので無視したりボールを隠したりもした。

 

 

マナは買い物をする時にワンワンと大きな声で鳴くので、必ず誰かがマナと一緒にお店の外で待っていた。

 

マナといるといろんな人が声をかけてくれた。

 

マナのお陰でご近所に知り合いが増えた。

 
 

マナは頭が良かった。

 

どんな芸もすぐに覚えたし

ドアだって自分で閉めれるようになった。

 

 

だけど何故かトイレだけは長い間、

ちゃんとしたところで出来なかった。

 

だからずっとオムツをつけていた。

 

 

マナはオムツが嫌いだった。

だけどそれを付けると家中どこに行っても良い権利が与えられるので、

シブシブながらもオムツをつけさせてくれた。

 
 
 

2年くらいまえかな、マナのオシッコが凄く臭くなった。

 

続けて生ゴミを漁ってから、しばらく経った頃だ。

 

 

それでも、元気そうだったので、

まぁ大丈夫だろうと、たかをくくって病院には連れて行かなかった。

 

 

それから1年ほど経った頃、マナが具合急に悪くなった。

 

ご飯も食べれず

目には力がなくなった。

 

 

急いで病院に連れて行った。

 

即手術だった。

 

膣にただれがあったようで

子宮の全摘をした。

 

 

オムツをつけていたからだろうか。

もっとちゃんとトイレトレーニングをしてあげれなかった事を後悔した。

 

 

手術でお腹を開くと腎臓が悪いことが分かった。

 

腎臓に大きな腫瘍が出来て

それが胃を圧迫していて、食べられなかったらしい。

 

お医者さんに、腎臓の1つはもう動いていない。

そしてもう1つもほどんと機能してない、と言われた。

 

 

マナの年齢を考えて

今回の手術ではどうも出来なかったらしい。

 
 

子宮全摘の手術を乗り越えたマナは

大人しくシュンとしてしまった。

 

 

お医者さんには、もう前みたいに元気になることはないだろうと言われた。

 

だけどマナは

だんだんと元気になっていった。

 

そして、また全力で階段を駆け降りたり登ったり出来るまでになった。

 

 

でも寝てる事が多くなって、

 

ご飯はドライフードではなく

湿っている柔らかい腎臓に負担が少ないフードと、

お母さんが細かく切って煮て柔らかくした野菜に変わった。

 

 

…..それが1年前のこと。

 

 

….そして2週間前。

 

マナの体調がまた悪くなった。

 

 

私はもう実家を出ていたので、

お母さんとお姉ちゃんがマナを病院に連れて行ってくれた。

 

お医者さんに「マナの寿命はあと2日~2週間くらいだろう。」と言われたと母から連絡が入った。

 

そんな風にお医者さんが言ってても

きっと前回みたいに元気になってくれるかもしれない!そう思った。

 
 

でも後悔しないように、毎日マナのお見舞いに実家へ行った。

 

 

自分の足で歩く力もないマナを見た時に

凄く心が痛かった。

 

あんなに脚力があってどのワンちゃんよりも早く走れたのに。

 

 

そっとマナを自分の足の上に乗せた。

 

こんなに長くマナをマナだけを見ていたの

は凄く久しぶりな気がする。

 
 

苦しんでいる姿を見ると悲しかったけど

涙は出なかった。

 

 

マナはもう自分で呼吸すら上手く出来ないようだった。

 

 

時々マナの呼吸が止まってしまう。。

 

お姉ちゃんが丸めた紙をマナの口の中に入れ

呼吸がしやすいようにしてあげていた。

 
 

その日、マナのベットの隣で寝た。

 

ふっと起きるとマナは自分のベットから出て

私の足元で寝ていた。

 

いつも一緒に寝ていた場所だ。

 

なんだか凄く寂しい気持ちになった。

 

 

マナは何故だか、まともに歩けもしないのに、

ちゃんとトイレで、オシッコやウンチをしたがった。

 

今までずっと、あれだけ頑張って教えても出来なかったトイレで。

 

 

土曜日。

 

その日本当はマナと一緒に居たかったけど

出勤しなければならなかった。

 

 

マナの様子がすぐに分かるように

ポケットに携帯を入れて働いた。

 
 

お昼頃、携帯を確認すると、母から連絡が入っていた。

 
 

「マナがバイバイしました。」

 
 

涙が止まらなくなった。

 

お店が混んでいて人手が足りない時間だったけど

「少し休憩もらっても良いですか?」とチーフに言うと、

「行っておいで」と、行かせてくれた。

 

 

自分の心は準備出来ていると思っていた。

もー。受け入れれるって。

 
 

でも嗚咽するぐらい大泣きした。

 

歩いている人不思議そうに見てきた。

 
 

大丈夫になったり、泣いたり、

凄く気持ちが不安定になった。

 

 

その日何故だか実家に帰れなかった。

 

帰ってしまったら、マナがいなくなった事を実感してしまいそうだからだと思う。

 

 

次の日の朝、実家に向かおうと自転車乗った。

 

だけどやっぱり実家に帰れなかった。

 
 

公園に行ってベンチに座って

家族や友達と遊んでいる人たちの様子を見ていた。

 
 

結局、実家に帰れたのはその日の夜だった。

 

マナのいない静かな部屋を見て、何か足りないような不思議な気持ちがした。

 

 

マナが苦しそうにしているのを、見ているのが一番辛いと思ってた。

 

だけど、

やっぱり死んでしまうのが一番悲しくて、

 

自分勝手だけど

どんなに弱っててもいいから生きててほしかった、って思った。

 

 

こんだけ身近な誰かを亡くしたのは初めてだった。

 

こうゆう時って人は

ソッとしておいて欲しいって思うんだね。

 
 

同情されたくない。。そんな風に思った。

 

だから親戚で集まった時

みんながマナのことを触れないでくれて、普通に接してくれたことが凄くありがたかった。

 
 

触れないでいるっていうのも優しさなんだね。

 

お陰で皆んなとたわいのないことで、笑い合うことが出来た。

 

凄く助かった。

 

 

マナが亡くなって何日かして

家族でマナの小さい頃から今までの写真をゆっくり振り返えりながら見た。

 

 

私もお姉ちゃんもお兄ちゃん達は幼くて

お父さんもお母さんも凄く若かく見えた。

 

 

そっかぁ。。

12歳って若すぎる!!って思ってたけど

こんなに沢山の時間を一緒に過ごしてきたんだね。。

 

 

マナはもう死んでしまって、

同じ犬は前にもこの先にもいない。

命って不思議。

 
 

ハッピーエンドみたいに

終わらせたくないし、

良い話にするつもりも必要もない、だけどさ、

最初は考えるのさえ凄く辛かったし

マナの大好きだったお芋をみただけで泣きそうになったりした事もあったけど

 

だけど

 

 

今は12年間ありがとう。って心から思えるようになった。

 

マナがいてくれたお陰で、とても豊かな

時間になった。

 

 

相変わらず、悲しいけど、

そうやって、少しづつ感謝も出来るようになってきた。

 

悲しいことは悲しい、でそのままでしておいても良いけど

楽しかった思い出まで悲しい物にしてしまうのは、勿体ない。

 

だからいつも側にいてくれて

いっぱい笑わせてくれて

ありがとーーーーーーーー!!!!!

 
 
 

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